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コントラバス弾いとるんじゃけぇ

旅は道連れ世は情け

151206 山口県交響楽団 定演#60

こんにちは。

山口県交響楽団(愛称:山響)の演奏会に行ってきました。広響が中四国唯一のプロなので、プロではありません。しかし、その分山口県中央部(山口市圏内)のオーケストラ文化普及の責任を負う団体として、中々にレベルは高いと思っています。))

●満席の山口市民会館

 もう、1500席が埋まる…それだけで感動に値する光景でした。僕は学生時代に山口大学管弦楽団(以後:YUO)に所属しており、この山口市民会館で毎年2回演奏会に乗っていました。僕が在籍していた期間におけるYUOの平均集客は甘く見積もって600人。背伸びした目標を掲げるにしても「1000人」が限界でした。その会場が埋まったというのは、やはり感慨深かった。ヘタすれば、強豪アマオケの人々から聞いた「満席により来場お断り→クレーム」の勢いでした。…すさまじい。

 しかし、これが予想可能回避不可能の現象を招くことも頭をよぎっていた。

チャイコフスキー 祝典序曲「1812」

1.Vcの4ソロがトゥッティ!

実は団員から聞いていたので衝撃は無かったのですが、Cbはどうしてもモゴモゴとくぐもった音の域を抜けられず、4ソロ時における張り詰めた緊張感と美しさは無かったかなぁというのが本音。

2.機械仕掛けのCanon

これも聞いてはいたのですが、シーケンサーによる大砲。バスドラで代用され、視覚的な迫力で補うというのが通常ですが、音のリアルさを求めたんでしょう。しかし、PAを雇っていなかったのか、スピーカーのパワー不足か、どうにも聴こえるのがやっとという感じで魅力は感じませんでした。

3.全体的に

 単純な技術的な面は届いていたものの、いかんせんこの曲の売りである「迫力」が無かった。そう、これが演奏開始前によぎった不安…「ホールの響きは満席時には著しく落ちる」ということ。しかも、山口市民会館は元々響き少ない。それがダブルで乗っかってきたのは大きい。(もちろん、超一流オケは響きを作ってきたので市民会館が悪いホールというわけではない。)

 下手だったわけがないが、正直なところプログラムが重すぎて音符を追うのに終始して曲想の祝典感は薄かったです。

モーツァルト フルート協奏曲ト長調 ソリスト山形由美

 市民会館で金管とピアノ以外の協奏曲は相当にハードルが高いのではないだろうか。山形さんのFl自体はとても丁寧で柔らかい音色で好印象でした。しかし、やはり全盛期(プレトークで前世紀を連呼されて焦ったお客さんは多いと思いますが^^)を過ぎたのかパワー不足だったように思います。渡辺翁ならとても良い演奏だったとは思いますが、満席の市民会館は中プロでも攻略できなかったのです。

 また、オケもフレーズの統一が上手くいっておらず個人単位で見ればとても弾けてたとは思いますが、モーツァルトの難しさを改めて感じました。

ブラームス 交響曲第1番ハ短調

 さて、休憩を挟んだブラ1。この時点で、ホールトーンを考慮した鑑賞の仕方に切り替えようと思っていました。

 そして1楽章。僕が期待していた初めのCで世界が変わる!という展開では無かったのですが、きっちりと弾きこまれ、いわゆるブラームスの音が鳴っており、少しずつオケのテンションが解放されていく。しかし、音楽が流れてるとはまだ言えず…あと一歩が遠いという思い。

 その中で2楽章…。冒頭のObによって命が吹き込まれる。思わず心のなかで来た!!って叫んでしまった。いや、本当に、あそこで奏者の頭のなかの音楽が一致し、曲が流れ始めました。素晴らしいソロというのはそういった力もあるんだと思わされた。その勢いで、丁寧で重厚…それでいて舞うような綺麗な和声感とフレージングを保ちつつ2・3楽章を終える。4楽章は、所々で息切れ感、集中力が切れたのかなーというモヤっとした瞬間はあったものの堂々たるフィナーレはさすがでした。

※個人的に、ブラ1は3楽章のロ長調の部分が大好きなのです。調性の関係の仕方が難しいので、ここの音は感性のみだと当てづらいしピッチがあってても面白くない演奏になりやすいですが、山響はきっちりと美しく響かせてて堪能できました^^

 このブラ1は会場を克服し、響きの少ない中でしっかりと音符の尻尾まで鳴らし切った大勝利の演奏だったと思います。これでこそ山響!

●個人的に

 この演奏会は山響にとっても、観客にとっても、山大オケにとっても、大きな影響を与える演奏会になったのではないでしょうか。アマチュアオーケストラ…それも近所に音大もなくエキストラの力をほとんど借りれない地方オケにとっての1つの道標になるように思える。

 そして、山口はますます管弦楽文化が栄えていく。まだ企画段階とはいえ正式に防府へオケが生まれるとなると、西は下関市民オケ、中央部に山響・宇部市民・プリマヴェラ、防府オケ(仮)、東に周南フィル…。人口規模的に限界が近いように思えるが、山口がどこまでいくか楽しみであり、その中で母校”山大オケ”がどういう立ち位置になっていくかも楽しみなのである。

次回、12月20日、【山大オケのブラ1】

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