コントラバス弾いとるんじゃけぇ

旅は道連れ世は情け

160805広響 平和の夕べ

こんばんは。

 ●はじめに

去年のアルゲリッチの感動を胸に、広島の至宝萩原麻未の演奏を楽しみにしていました。実は去年の演奏会、会場には萩原麻未さんの姿も見つけていました。彼女はあの深遠なる祈りのようなベトコン1に対してどういった演奏を持ってくるのか、楽しみにせざるを得ないですよねぇ。

シューマン:ピアノ協奏曲 ソリスト萩原麻未

 序盤、広響のエンジンが慣らしの段階は、萩原さんが馴染ませるよう寄り添った演奏だったように感じた。もはや大ピアニストの風格さえあった。世界トップクラスに何を言うんだという話ですが、奏法の選択肢が多い。そして、1楽章のクラリネットのソロが良かった。あのソロって元気さを感じてしまう吹き方が圧倒的に多いのですが、僕はああいうしっとりしたの好きです。

 また、この曲に限らず、シューマンの代名詞である刻み。僕はあの刻みで空間を撹拌しているように感じていて、今回も音楽空間の拡張に繋がる良い刻みであった。少しずつ広響のエンジンがかかってきて、ソリストTuttiが一緒に動くところはアツかった。

ソリストアンコール アヴェ・マリア

 いやぁ、これですよ。曲からしてドストレートだが、祈りのような響きでした。萩原さんの演奏を聴くのは2回目で、TVでもちょくちょくお見かけしてますが、割とパワフルなイメージが強かったんですよね。この演奏ではそういった雰囲気がチラリとも顔を出さず、ホールの隅々まで萩原さんの意識が届いているような響きを感じました。ここに去年への意趣返しがあったのかと震えた。響きは透明で美しいが、その演奏をこの日ここに持ってくる辺りに、彼女の広島人らしいというか負けん気を見た。

ブルックナー交響曲第9番

 ブルックナーは宇宙とよく言われるが、まさにその通りだった。荘厳で叙情的、観客はそれに包まれた。1楽章に物語のすべての要素が詰まっている気がして、とても満足感があった。混沌が上手く並べられており、全体として秩序を保っていたというか連なりを感じた。2楽章、誰が聴いても覚えてしまうわざとらしいテーマなのに、気付いたら奥へ奥へと引きこまれていった。あのフレーズがアホっぽくならないってブルックナー凄いって思った。んで3楽章は愛と祈りを感じた。でも決して甘くなく、そこらへんはナンバー9のあり方なのかもしれない。人間は何のために生きているのか考えながら生きているが、最終的にはそこにただある事に意義を見出したとでも言いましょうか、究極的な何かを掴んだような、果たして掴めるようなものだったのか、という物語の閉じ方だった。

 そんなブル9を広響は感じさせてくれた。初聴でも、当たりに感じさせてくれるって凄いと、常々思ってます。変な先入観が無い分と思われる方もいらっしゃると思いますが、今まで聴こうと思ってなかったものを聴きたいと思わせるって、やっぱり真摯な演奏なんですよね。

●いろいろ

 なんにせよ、今年も平和について考えさせされる演奏会であった。来年も楽しみです!

では。

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