コントラバス弾いとるんじゃけぇ

旅は道連れ世は情け

161117 広島大学交響楽団 定演#65

●はじめに

 1年ぶりの広大オケ。やはり地元ということで応援していきたいのもあり、足を運びました。ちなみに、去年は

 

 

 

 

ここまで書いているわけです。もちろん、この時はまだ岡大オケを聴いていないので、最後の一文はさすがに書きすぎですが、ドヴォ7がとても良かったのは今でも思います。そんなことを思いながらなので、結構ハードルは高かったような気がしますが果たして…?

フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』序曲

 ヘングレは冒頭ホルンの祈りの歌、壮大な物語が始まりそうなあの感じがいいですよね。演奏も揺らぐことなく、幕が開けたという喜ばしい気持ちになりました。弦セクがとても鳴っており、物語性を常に支えていたように思えます…が、それがこの曲では逆効果だったように思えます。

 個人的に、この曲の肝はやはり木管の遊び心ある演奏。いくらグリムとはいえ、童話は童話なので、子供たちの童心が感じられる演奏が面白いところだと思ってるんですが、若干弦が厚すぎて、それに埋もれていた感じ…とそれを越えようとして余裕の無い響きになっていた印象を受けました。とはいえ、しっかり仕上がっていて、曲へ前のめりな感じはとても好印象でした。

チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

 冒頭Cl,Fgは息があっており、とても美しく響いていた。(贅沢を言うなら、聖歌チックなフレーズですし、もうちょっと空気が含まれた音のほうが好きですが、これは好みですね)…弦セクが安定してると、決戦前のあの不穏な空気の部分の静謐な感じが停滞しなくてよい。個人的に、Fl,Obによるロメオのテーマの裏でHrが吹いてる1度?の動き、あれは地味だけどちゃんと微妙な機微が音楽の方向性とマッチしていて嬉しかった。あの動き好きなんですよねぇ(笑)

 この曲に限らず、TbTuCbはチャイコフスキーの対位法の恩恵を受けて、演奏してておいしいと思うことが多々あると思いますが、しっかりと存在感を示してて楽しそうであった。前プロよりも安定感が増しており、パッセージも弦を把持した音がメインでしっかりと決闘してる感があり、楽しめた。

●カリンニコフ:交響曲第1番

 この曲、予習無しで聴いた人はなんて良い曲だろうと思うだろう。ロマンティックだけど爽やかで、それでいてブラスもとっても鳴るし、低音楽器もとってもかっこいいし、って本当にてんこ盛りなのである。

 …それは置いておいて、これだけ各楽器に弾きごたえのあるフレーズが用意されている交響曲というのも珍しく、それだけに練習に熱が入るだろうと思うし、実際にとても完成度の高い演奏となっていた。美しい旋律美とはいえ、しつこい程に何度も聴かされると、少し疲れてくるんですが、一気呵成に持っていかれたように思える。

 そうして疲れたところに、2楽章冒頭のHpとVnの幻想的な響きが沁みるんですわ。ロシア作曲家による雪の降ってるかのような音楽表現は抜群。木管セクションの表現力がメインに来て段違いで驚いたし、各楽器のソロは音色まで揃えてきてて、思わず唸ってしまった。

 カリ1の4楽章は、メロディにメロディを重ねていく感じがわざとらしくてあんまり好きではなかったんですが、学生オケという属性を重ねて聴くと、これがとてもドラマティックで感動的なものに聴こえて、来るものがありました。

 カリ1のように練習時間がそのまま報われる曲と広大オケは相性がいいのかもしれない。 

●いろいろ

広大オケは、とても熱く、取り組む曲に対して前のめりな姿勢が感じられるので、聴いていて気持ちがよい。この翌日に九大フィルを聴いたんですが、対照的で、人が移り変わる大学オケでもカラーってのはあるんだなぁと面白く感じました。

良い演奏会でした。

では。

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