コントラバス弾いとるんじゃけぇ

旅は道連れ世は情け

161118 九大フィルハーモニー・オーケストラ 定演#197

●はじめに

前日の広大オケに続いて、九大フィル。福岡まで遠征してきました。
博多…可愛い後輩に会えるという特典とはいえ車旅だとさすがにキツかったです。
翌日は仕事にならなかった…というかその週は仕事にならなかったです(汗

モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲

  さて、魔笛。…上手い。初っ端から音楽空間の構築が出来ていました。フレーズ観の共有といい、ホールでの響かせ方が計算されていた。数分で「あ、これ学生オケであることを売りにしてるオケじゃないや」って聴き方を切り替えましたもん。どっかのセクションが売りになるわけでなく、1つの作品として楽しめる実力でした。さすがは旧帝大…こういうそつない演奏って感想書きにくいんですけどねぇ(笑)

ラヴェル組曲マ・メール・ロワ

 素晴らしかった。ラヴェルオーケストレーションの妙に感じ入る程に、彼の色彩感が見事に描かれていた。安定していることは当たり前で、曲ごとに冒頭からしっかり音色を吹き分けられていて、遊び心も感じられる名演だった。終盤の溜め息の出るような響きの美しさ…これは本当に枕詞抜きに良かったと思います。

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

 さて、問題はチャイ6。もちろん上手かった。チャイコの曲ってつい気持ちよくなりすぎちゃって、楽譜の指示に半歩遅くなったりしがちなんですが(自戒)…そんなことも決してなく、フレーズ観やディナーミクなど音楽を構築する上では素晴らしかったと思います。反面、前述の気持ちよくなってる感ってのはほとんど感じられなかった。技術としての歌心であって、観客と共感する節回しではなかったかなぁと。(後述の)4楽章突入云々を書く前に、1楽章の時点で僕はそういうことをメモしていた。

 もちろん、チャイコを聴くうえで僕にとって不可欠の2楽章Hrのシンコぺだったり、対旋律だったり、4楽章のHrシンコぺからVnが入ってくるあの瞬間!だったりと、チャイコを構成するもの自体は満足の聴きごたえのある出来でした。…ただ、目指すものの方向性が甘さを許さないものだったのかなぁと思う。

 ただ、Twitterでは早々に書いたが、3楽章ラストで盛り上がりを抑制したように感じられたのは勿体なかったと思う。あのオケならもっと鳴ったハズなんですよね。 もしかしたら楽譜が違うのかもしれないが、3楽章ラストってsempre”fff”なわけで、躊躇する余地ない。そこまで鳴りきってこその4楽章でしょう…と。パンフレットにも注意書きがあったが、チャイ6は3楽章で拍手をもらうことの多い曲です。それを嫌ったのかなと疑ってしまう感じで、少しションボリした。(オマケだが、前日の広大オケはカリ1の1楽章で拍手をもらっているし、広響なんて2月にチャイコVnコン1楽章で拍手をもらい、休憩中に「拍手をするな」とわざわざアナウンスをした次のチャイ6では案の定3楽章で拍手をもらうという大惨事であった。)

 まぁ、そういった不純物がそこで来るかーってのが最後まで残り、非常に後味の悪い演奏会になってしまった。もちろん、これは前中で素晴らしい演奏をして期待値をゴリゴリに引き上げてもらったが故の感想である。普通の学生オケならスタンディングオベーションしたい位の感動もあった出来栄えでした。4楽章冒頭はモヤモヤしながらも、3楽章に自分の心拍数を引き上げられていたことに気付いていた。

まぁ、今思い返しても、もったいなかったなぁと思うわけですが、期待値は下がっていません。これだけの理性的なオケならばブラームスとかマーラーとか最高だろうなって思う。もはや相性なんではなかろうか。そこまでのオケだった。

●いろいろ

 本当に上手かった。まぁ、僕は常にもっと良いものを!って思ってしまう性質なので、広響を始めとしたプロオケ(来日オケ含む)でも文句なしの快演ってのは少ないことをご了承くださいませ。でも、全力で理性的であろうとしつづけた九大フィルと、全力で練習に取り組んだであろう広大オケも、どんな形であれ力を尽くした感じは気持ちのいいものである。

 

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さて、今年の演奏会はあと1つ!中四国の雄、楽しみにしてますよ!!
では。